※当サイトはアフィリエイト広告を含みます。
「年商3,000万円の小さな会社を、サラリーマンが買収する」——かつては考えられなかった小規模M&Aが、今急増しています。
背景にあるのは、後継者不在による廃業危機とサラリーマンの独立志向の高まりです。中小企業庁の調査によれば、今後10年で約60万社が後継者不在のまま廃業リスクにさらされると言われています。一方で、会社員が副業・兼業のかたちで事業を取得するケースも増え、「個人M&A」という言葉がビジネス誌でも頻繁に取り上げられるようになりました。
この記事では、10年以上M&Aアドバイザーとして数十件の案件に携わってきた経験から、小規模M&Aで個人が会社を買う方法・費用・リスク・成功のポイントを詳しく解説します。
小規模M&Aとは?どんな会社が対象になる?
小規模M&Aとは、譲渡価格が500万円〜5,000万円程度の小規模事業のM&Aです。大手M&A仲介各社が「スモールM&A」「マイクロM&A」などとも呼ぶこの領域は、ここ数年で市場規模が急拡大しています。対象となるのは主に以下のような企業・事業です。
- 年商3,000万円以下の個人事業・零細企業
- 後継者不在で廃業を検討している会社
- 特定の技術・許認可・顧客基盤を持つ事業
- 飲食店・美容院・整体院などの店舗ビジネス
- EC・Webメディアなどのデジタル事業
近年は「事業承継・M&Aプラットフォーム」と呼ばれるマッチングサービスが普及し、個人でも買収候補を探せる環境が整っています。TRANBI・M&Aナビ・ビズリーチ・サクシードなどが代表的なプラットフォームです。登録企業数は年々増加しており、2024年時点でTRANBIだけでも累計掲載件数が数万件を超えています。
個人が会社を買う5つのメリット
① ゼロ起業より低リスク
既存顧客・売上実績・スタッフがすでにいる事業を買うため、ゼロから起業するより格段にリスクが低いです。「初月から売上がある」状態でスタートできます。私がアドバイザーとして関わったケースでも、既存顧客との継続取引がそのまま引き継がれ、買収直後から黒字を維持できた事例は少なくありません。
② 政策融資を活用できる
日本政策金融公庫の「事業承継・集約・活性化支援資金」を利用すれば、最大7,200万円まで融資を受けられます。自己資金が少なくても買収が可能です。また信用保証協会の保証付き融資を組み合わせれば、さらに調達額を増やせる場合もあります。金融機関に相談する際は、買収後の事業計画書をしっかり準備することが承認率を高める鍵です。
③ 許認可・ノウハウをそのまま引き継げる
建設業許可・飲食店営業許可・介護事業所指定など、取得に時間と費用がかかる許認可をそのまま引き継げる場合があります(株式譲渡の場合)。業種によっては数年分のコスト削減になります。ただし、事業譲渡の場合は許認可が引き継がれないケースもあるため、スキーム選択の段階で専門家に確認することが重要です。
④ 即座に経営者になれる
会社員から即座に経営者に転身できます。副業・兼業として小規模事業を買収し、軌道に乗ってから本業を辞めるというステップアップも可能です。特に副業解禁が進む近年は、在職中に小規模なECやWebメディアを買収し、週末経営からスタートするケースが増えています。
⑤ 節税効果がある
法人として事業を買収することで、経費の幅が広がり節税効果が期待できます。役員報酬・社用車・出張費など、個人事業より多くの費用を経費計上できます。また法人として買収することで、将来の出口(再売却)時にも税務上のメリットが生じることがあります。
[AD:M&A仲介サービス]
個人M&Aの4つのリスクと対策
リスク① 簿外債務の発覚
買収後に「未払い残業代」「未払い社会保険料」「訴訟リスク」などの簿外債務が発覚するケースがあります。最悪の場合、自己資金で弁済しなければならなくなります。
対策:デューデリジェンスで財務・労務・法務を事前に精査し、表明保証条項を契約書に盛り込んでください。表明保証違反が判明した場合の補償スキームを契約に明記することが、個人バイヤーを守る最大の防御策です。
リスク② キーマンリスク(オーナー依存)
前オーナーの人脈・技術・顧客関係に依存している事業の場合、オーナー交代で売上が急減するリスクがあります。「オーナー=会社」の事業は特に注意が必要です。
対策:前オーナーに一定期間(6ヶ月〜1年)残ってもらい、引き継ぎ期間を設けましょう。雇用契約または顧問契約のかたちで、引き継ぎ義務を法的に担保することが理想です。
リスク③ 顧客離れ
オーナーが変わったことで既存顧客が離れるリスクがあります。特に個人の信頼関係で成り立っているビジネス(士業・コンサル・美容院など)は要注意です。
対策:主要顧客への引き継ぎあいさつを丁寧に行い、サービス品質を落とさないことが重要です。クロージング直後の3ヶ月間は特に顧客接点を増やし、信頼関係の再構築に注力してください。
リスク④ 経営スキル不足
サラリーマン経験だけでは、資金繰り管理・採用・労務・税務など、経営全般の判断に苦しむことがあります。特に資金繰りの悪化はスピードが早く、気づいたときには手遅れになる場合もあります。
対策:信頼できる税理士・社労士・弁護士を早期から確保し、経営判断を支えるチームを作りましょう。M&A後の「PMI(統合作業)」にも適切なリソースを割くことが、買収後の安定経営に不可欠です。
個人が会社を買う具体的な手順
📋 個人が会社を買う具体的な手順の流れ
小規模M&Aのプロセスは、大企業のM&Aと基本的な流れは同じです。ただし個人が買い手の場合、金融機関への融資打診や自己資金の確認を最初のステップに組み込むことが重要です。
- 自己資金・融資枠の確認:自己資金と融資可能額を把握し、購入予算を決める。日本政策金融公庫への事前相談もこの段階で行う。
- M&Aプラットフォームに登録:TRANBI・M&Aナビ等で案件を検索。複数サービスに並行登録すると案件の選択肢が広がる。
- NDA(秘密保持契約)の締結:詳細情報を受け取るためにNDAを締結。プラットフォーム経由なら書式が用意されていることが多い。
- IM(企業概要書)の精査:財務サマリー・事業概要・強みと課題を確認し、初期スクリーニングを行う。
- トップ面談:売り手オーナーと直接面談し、事業の実態・離職リスク・顧客集中度を確認する。
- 意向表明書(LOI)の提出:買収希望価格と条件を書面で提示。独占交渉権の取得もここで交渉する。
- デューデリジェンス(DD):財務・法務・労務を専門家とともに精査。小規模案件でも必ず実施すること。
- 最終契約書の締結:表明保証・クロージング条件・競業避止義務を盛り込む。
- クロージング・決済:代金支払いと事業引き継ぎ。登記変更や許認可の名義変更もこのフェーズで対応する。
小規模M&Aの費用感
個人が小規模M&Aを行う場合の費用目安は以下の通りです。譲渡価格本体とは別にかかるコストとして、事前に予算に組み込んでおくことが重要です。
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| M&Aプラットフォーム利用料 | 無料〜30万円 |
| デューデリジェンス費用(財務・法務) | 50万円〜150万円 |
| 弁護士費用(契約書作成・レビュー) | 30万円〜80万円 |
| 仲介会社手数料(利用する場合) | 成功報酬:譲渡価格の3〜5% |
| 登記費用・その他手続き費用 | 5万円〜20万円 |
総額で100万円〜300万円程度の諸費用がかかるケースが多いです。譲渡価格が安い案件ほど、費用率が相対的に高くなる点には注意が必要です。また、買収後のPMI(経営統合)フェーズでもシステム移行や採用費などのコストが発生するケースがあります。
個人M&Aに向いている業種・向いていない業種
向いている業種
- IT・Web制作:在庫なし、リモート対応可能で、個人でも管理しやすい
- Webメディア・ECサイト:オーナー不在でも運営できる仕組みが整っていることが多い
- B2B向けサービス業:契約が安定しており、売上の予測が立てやすい
- 許認可が参入障壁になっている業種:建設業・介護・運送など、新規参入が難しいゆえに安定性がある
- 専門店・ニッチな小売業:固定顧客が存在し、競合が少ない
向いていない業種
- オーナー個人の人脈に完全依存した業種:コンサル・士業・一部の士業紹介業など
- 在庫リスクが大きい製造業:設備投資・原材料調達の経験がないと経営が難しい
- 季節変動が激しく資金繰りが難しい業種:旅行・ウエディング・農業など
- 労務問題を抱えている可能性が高い業種:長時間労働が常態化している業種は買収後に労務リスクが顕在化しやすい
良い案件の見極め方:プロが注目する3つのポイント
① 売上の継続性と顧客集中度
売上上位3社で全体の50%超を占める場合、特定顧客への依存リスクが高いと判断します。理想は、上位10社以内で売上の70〜80%程度に分散していることです。またリカーリング収益(月額サービス・定期契約)の比率が高い事業は、買収後の売上安定性が高く、初めての経営者にも向いています。
② 売却理由の確認
「なぜ今、売るのか」という動機は必ず確認してください。正当な理由(高齢・後継者不在・事業集中のための売却)であれば問題ありませんが、業績悪化・顧客離脱・労務トラブルなど、売却を急ぐ隠れた理由がないかをDDで精査する必要があります。売り急ぎが見られる案件ほど注意が必要です。
③ スタッフの定着状況
従業員の離職率・在籍年数は必ずチェックしてください。キーパーソンとなるスタッフが買収後も継続して勤務するかどうかは、事業継続性に直結します。面談時に直接従業員と話す機会を設けることが難しい場合でも、組織図と各スタッフの役割・在籍年数くらいは必ず確認するようにしましょう。
[AD:M&A仲介サービス]
よくある質問(FAQ)
Q. 自己資金はいくらあれば個人M&Aに挑戦できますか?
一般的には、買収総額の10〜30%程度の自己資金があれば、政策融資と組み合わせて買収が実現できるケースが多いです。500万円の案件であれば、50〜150万円の自己資金を目安としてください。ただし融資審査では自己資金比率だけでなく、買収後の事業計画の質も重視されます。
Q. M&Aの経験がなくても買収できますか?
経験がなくても買収は可能です。ただし専門家(M&Aアドバイザー・弁護士・税理士)のサポートは必須です。プラットフォーム経由の小規模案件であれば、仲介機能が一部提供されているサービスもあります。初めての方は、まずプラットフォームに登録し、複数の案件概要を眺めるところから始めることをおすすめします。
Q. デューデリジェンスは省略できますか?
省略すべきではありません。小規模案件であっても、簿外債務や未払い残業代が発覚するリスクは十分にあります。費用を抑えるために簡易DDに留める判断はあり得ますが、それでも専門家に最低限のレビューは依頼してください。DDコストをケチって後から数百万円の損害を被ったケースを、私自身もいくつか見聞きしています。
Q. 株式譲渡と事業譲渡、どちらが個人バイヤーに向いていますか?
一概には言えませんが、許認可の引き継ぎを重視するなら株式譲渡、不要な負債・リスクを遮断したいなら事業譲渡が向いています。税務上の扱いも異なるため、スキーム選択は税理士・弁護士と相談のうえで決定してください。
まとめ:小規模M&Aは専門家のサポートが必須
小規模M&Aは、個人が経営者になるための有力な手段です。市場環境・政策金融・プラットフォームの普及が追い風となり、挑戦のハードルは年々下がっています。ただし、簿外債務・キーマンリスク・顧客離れなどのリスクも伴います。
成功の鍵は、信頼できる専門家(税理士・弁護士・M&Aアドバイザー)のサポートを受けながら慎重に進めることです。特にデューデリジェンスと契約書の整備は絶対に手を抜かないでください。「安いから」「急いでいるから」という理由でプロセスを省略した買収が後悔に終わる事例を、アドバイザーとして多く見てきました。
買収後のPMIまで含めてサポートしてくれるM&Aアドバイザーに相談することが、初めての個人M&Aを成功に導く最短ルートです。
小規模M&Aのご相談は、無料相談からどうぞ。

コメント